CRE戦略の基礎① CRE戦略とは何か。

CRE CRE戦略の基礎① CRE戦略とは何か。 2020.04.03

CRE戦略とは?

CREとはCorporate Real Estateの頭文字を取ったもので企業が保有する不動産を意味します。「戦略」という言葉がつくことによって、それは、企業が所有する不動産を最大限有効に活用することにより、「企業価値の最大化」を図ることを言います。
CRE戦略として有名なのは、東京駅丸ノ内口の目の前にある、「KITTE(キッテ)」ではないでしょうか。

1931年、日本最大級の郵便局として建造された東京中央郵便局でしたが、東京駅の丸の内口の目の前という超一等地にありながら、低層で本業での利用のみ、つまり、低利用地でした。そこで、2013年に地上38階、地下4階の商業ビルへ建替えられ、そのほとんどをオフィスや商業、飲食店への賃貸に出すことで安定した賃料収益を実現したわけです。
このように、低利用の不動産を有効活用することをCRE戦略と言います。

不動産の有効活用の具体的な方法

企業の不動産に対する有効活用の手段として以下のようなものがあります。

1)低利用地活用
KITTEのパターンで、都市部で比較的多く見られる事例です。自社ビルを建て替える際に、未消化の容積率があることを利用し、自社で使うスペース以外は賃貸オフィスとして貸している事例は多くあります。

2)遊休地活用

エビスビール HPより

今後の展開を見越して、工場・倉庫の移転などを行い、空いた土地に賃貸物件を建てるなどの事例です。恵比寿ガーデンプレイスがあった場所は、もともとは1887年よりサッポロビール前身の「日本麦酒醸造会社」の工場がありました。工場周辺の都市化が進んだことで、1988年に工場を閉鎖し、その跡地に事務所や店舗、共同住宅、ホテルなどを含む複合施設が建てられました。

3)コンバージョン
コンバージョンとは、リノベーションを行って用途変更などをすることです。例えば、使わなくなった社宅をリニューアルして、賃貸住宅にしたり、ホテルを賃貸住宅に用途変更したりする、といった事例があります。

4)新規購入
企業規模拡大に伴う、新たなオフィスビルの購入、工場の新設など、最もポピュラーなパターンです。

5)売却
最後は、使わなくなった遊休地、未利用地の売却です。企業の業績悪化というネガティブな場面でも起こりますが、所有する不動産の見直しによる、取捨選択を行い、より効率的に事業を行う一貫としての売却という事例も多く見られます。

不動産は自社が保有する資産としては最大級のものという企業が多いと思います。自社が保有するさまざまな不動産を上手く活用できるかは、業績に大きく影響しますので、しっかりとした分析に基づいたアクションを行うことが必要です。

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