CRE CRE戦略のファーストステップ!現状把握で重要なポイント 2020.06.10
具体的に不動産戦略を考えるときに基本となるのは、自社の現状を正確に把握することです。現状把握はCRE戦略のファーストステップかつ重要なフェーズと言っても過言ではありません。以下の5つについてしっかり確認しておくようにしましょう。
1:企業業績、財務状況の見通し
企業の業績がよく、かつ財務状況も問題がなければ、攻めのCRE戦略を行う決断をしてもいい局面と言えます。新しい収益不動産を購入する、新しい工場を建てるなど積極的な設備投資がさらなる飛躍を生むことでしょう。逆に、言うまでもありませんが企業の業績が悪化している状況下では、企業は所有する不動産を手放したり、売却後リースバックしたりなどして負担を軽くするというアクションを検討する必要があるでしょう。
2:事業のライフサイクル
事業にはライフサイクルがあります。
かつては華やかな産業でも、時代の流れとともに、寡占化が進み、あるいは産業そのものが廃れていくこともあります。このような変化は、企業には抗いにくい波であり、企業は置かれた環境の変化に適合していかなければなりません。企業は、環境の変化に対してさまざまな変革に取り組まなければなりませんが、変革のフレキシブルさの度合いには差があります。それは、社風というアナログ的な要因もあれば、大きな投資などが必要といった事業戦略の要因もあります。ただし、こうした変化は一定の時間を要するものです。
3:今後必要となる不動産の分析
その時代ごとの社会情勢によって、必要に迫られている事業や逆に需要が減る事業など、変化していくものです。今後の事業展開を踏まえて、必要となる工場や倉庫の配置、オフィスのあり方などの検討も必要です。
昨今で言えば、新型コロナウィルスの影響でテレワークが一気に広がりました。また、テレワークをこのまま続けていくという企業が増えると予測されます。そうなると、オフィスの在り方、そして、職住近接が好まれていましたが、住宅に対する考え方も変わってくると思われます。
4:財務内容における固定費の割合
不動産の新たな活用などの不動産戦略を行う際には、ほとんどの場合、大きな金額の借り入れが必要になります。しかし、固定費が多い場合、大型の借り入れなど、フレキシブルな動きはできにくくなります。
5:経済や不動産のマーケット状況
最後の要因は経済全般の状況です。経済状況、金利など、不動産投資を行う際、フォローの風が吹いているのか、アゲインストの風なのかは、最後の決断に重要な要因です。ただ、経済状況が悪いからと言って、そこで足踏みするのではなく、例えばコロナ禍の今だからこそ、歩みを止めずに積極的に動いている企業は、今後も飛躍が期待できます。また、もし収益不動産を所有していれば、経済危機においても安定した賃料収入を得ることが出来ます。そういった点でもCRE戦略は企業にとって重要な位置づけと言えそうです。
Writer:HRI journal 編集部
Tag:#CRE戦略