CREの具体的な4つのアクション(後編)

BUSINESS TREND CREの具体的な4つのアクション(後編) 2020.07.27

前回に引き続き、CRE戦略の具体的な4つのアクションの後半「売却」と「定期借地」についてです。

売却

使わなくなった遊休地、未利用地を売却するということです。企業の業績悪化というネガティブな場面でも起こりますが、戦略的に所有する不動産の見直しを行い、取捨選択を行い、より効率的に事業を行う一貫としての売却という事例も多く見られます。また、忘れてはならないことは、売却益が出れば、各種税金がかかってくるということです。その点も考慮した上で、不動産を売却することがベストなのであれば、それもCRE戦略と言えます。

そもそも売買とは売主と買主がいて、価格(やその他条件)の折り合いがついた時に、成立するものですが、実際に買主を探し始める前の段階で、ある程度の価格の予測はつけることが出来ます。

例えば、土地は以下のようなイメージでおおまかな価格を把握できます。

■一物四価と価格のイメージ

例えば、実勢価格は、実際に取引された価格ですが、これは国土交通省「不動産取引価格情報検索」から調べることができます。
■不動産取引価格情報検索の画面

もし、該当するエリアに類似物件がない場合は、路線価から把握することも可能です。

路線価は、相続税や贈与税の課税基準を算出することを目的とした価格です。相続税評価額は公示価格の80%を目安に決定されます。公示地価は土地取引の指標となるのですが、実はすべてのエリアを網羅しているわけではありません。国土交通省が全国に定めた地点(標準地)を対象にしており、つまり、代表的な地点のみの価格なのです。一方で、路線価は日本の多くのエリアをカバーしており、調べたい場所の価格をピンポイントで知ることが出来ます。
この路線価は地価公示価格の8割が目安となっているので、路線価図から不動産の所在する場所を特定し、前面道路に書かれた価格を80%で割戻すと、おおまかな価格を試算することが出来ます。

■路線価図

国税庁HPで見ることが出来る「路線価図」では、道路に面している標準的な宅地の1㎡あたりの価格が「千円」単位で記載されています。

例えば上の路線価図の中の■の土地の場合、接道している路線に記載している路線価は「1830千円」つまり、㎡単価が183万円。土地面積が100㎡だった場合は、1億8,300万円。つまり、おおよその価格は1億8,300万円÷80%=2億2,875万円となります。二路線に面する場合や複雑な地形の場合などは、計算方法が更に複雑になるので注意が必要です。

また、実際の土地の価格は、積算法や収益還元法という方法で不動産価格を試算する場合もありますが、おおよその金額を把握するのが目的であればこれらの価格から算出したもので十分と言えます。相場とかけ離れた金額で売却がされないためにも、様々は観点から「いくらで売れるのか」という予測を付けることは重要です。

定期借地

「2)不動産賃貸としての活用」の中で「土地貸し」の中で、その名の通り「定められた期間のみの借地権」のことを定期借地と言います。

この定期借地権の特徴は、土地を所有する人と利用する人が別であり、土地所有者は、「土地が将来必ず返還されるという信頼のもと土地を提供し、権利金や地代という利益を得ることができる」ということです。また土地を借りた側は、「一定の保証金もしくは権利金と地代を払い約束の期間だけ土地を利用できる」ということです。

具体的には、例えばデベロッパーや不動産会社が土地を定期借地権で借り上げてもらい、借地権者が土地の有効活用を行うというものです。

定期借地権は3種類に分けることが出来ます。

■定期借地権の3種類

それでは、同じ遊休地でも土地の上に建てた建物を賃貸する「建物貸し」か、土地そのものを貸す「定期借地」では、どちらがいいのでしょうか。以下に簡単にメリットデメリットをまとめます。

■建物貸しと定期借地の比較

ここまで、CRE戦略の具体的なアクションについて見て来ました。前回も述べたように、企業経営者としては、アドバイスを受けるプレーヤーによらず、自由な選択が出来るように多くの選択肢を知っておくべきであり、また、CREアドバイザーとしては、多くの選択肢を提示した上で最適な解をクライアント企業と一緒に解いていかなければなりません。そのためにも、これらのアクションを整理して考えていくようにしましょう。

 

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