“空き家”と”接道義務”の切っても切れない関係

BUSINESS TREND “空き家”と”接道義務”の切っても切れない関係 2020.03.04

総務省は9月30日、「平成30年住宅・土地統計調査」のうち、「住宅及び世帯に関する基本集計(確定値)」の結果を公表しました。今回150超のデータが一気に公表され、全国・都道府県だけでなく、市区町村まで細かく集計されており、私たちは住宅や土地に関するより精密なデータを見ることが可能になります。【日本の住宅の今を知る!住宅・土地統計調査を大解剖】と題した特集で、この「住宅・土地統計調査」で気になるデータをピックアップし、深堀していきたいと思います。

前回のコラムで、「接道義務を果たしていない古い建築物が、空き家が増える一因であるとも言われている」とお伝えしましたが、実際にどれ程の関係があるのでしょうか?今回は、接道条件と空き家についてより深くデータを分析していきます。

接道条件の悪い道路が多いのは西日本

前回同様、「道路に接していない敷地」と4m未満の道路に接する敷地を「接道条件の悪い住宅」とし、都道府県別に住宅総計の中でこれらが占める割合を算出した結果が以下の通りです。
都道府県別 接道条件の悪い住宅に住む世帯の割合

都道府県別 接道条件の悪い敷地割合

これを見ると、西日本が高い割合となっています。純粋に都道府県の広さと人口、つまり人口密度の高さと関係があるかと言えば、そうではなく、京都府・大阪府・兵庫県や広島県、福岡県などの地方都市では、再開発が進んでいることもあり人口密度が高くとも接道条件の悪い住宅の割合は西日本の中でも低くなっています。

接道条件の悪さは空き家率につながるのか?

はじめに、先ほどの都道府県別の接道条件の悪い住宅の割合と都道府県ごとの”狭義の”空室率を比較してみましょう。※「狭義の空室率」についての詳しい説明は「〈空き家率〉に隠れた本当の意味とは?」をご参照下さい。
■都道府県別 接道条件の悪い住宅に住む世帯割合と狭義の空き家率
接道条件 空き家率
接道条件の悪い住宅の世帯割合を降順で並び替えたものですが、分かりやすくそれぞれ上位10位以内の数値を赤色で塗りつぶしました。
これを見ると、接道条件の悪い住宅の多くが狭義の空き家率も高いことがよく分かります。
次にこの2つの数値を散布図でとってみました。
■都道府県別 接道条件の悪い住宅に住む世帯割合と狭義の空き家率の散布図
接道条件 空き家率

なんとなく、両者の関係性がみえてきました。

やはり接道条件と空き家率には関係があった

住宅・土地統計調査では、敷地に接している道路の幅員別で居住世帯のない住宅数が公表されています。ここから接する道路の幅員別で空き家率を算出すると以下のようになりました。
■接する道路の幅員別 空き家率(全国)

敷地が道路に接していない住宅では13.9%が空き家、幅員が2m未満の道路に接する住宅では14.1%が空き家となっているようです。そして、道路条件がいいほど、空き家率が低下していく構図が浮き彫りになりました。

昨今、空き家問題が取り沙汰されていますが、道路条件の悪い敷地の活用が一つのポイントと言えそうです。

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