住居の移動から見る「戸建派」「賃貸派」

BUSINESS TREND 住居の移動から見る「戸建派」「賃貸派」 2020.01.28

総務省は9月30日、「平成30年住宅・土地統計調査」のうち、「住宅及び世帯に関する基本集計(確定値)」の結果を公表しました。今回150超のデータが一気に公表され、全国・都道府県だけでなく、市区町村まで細かく集計されており、私たちは住宅や土地に関するより精密なデータを見ることが可能になります。【日本の住宅の今を知る!住宅・土地統計調査を大解剖】と題した特集で、この「住宅・土地統計調査」で気になるデータをピックアップし、深堀していきたいと思います。

今回は、現在の住宅に住む前の居住形態に注目したいと思います。

現在「持ち家の方」 変わるとすれば…また持ち家?次は賃貸?…

■従前の居住形態別現在の居住形態

持ち家に住む人の次のステップとして、同じ持ち家への住み替えが多いのかと思いきや、実は賃貸住宅へ住み替えるパターンも多く、半々だという結果になりました。
持ち家から賃貸に移動するというのは、様々な事情が考えられます。
「転勤であえなく賃貸に。」
「ローンが払えない…」など
また、実はこれだけ多い(約半数)のは、昨今の住宅価格上昇が背景にあります。「いま、高値で売れそう、買値よりも利益が出るから売ろう」という思いで所有住宅を手放し、一方で、「いまは高いので買うのは少し待って、賃貸にしておこう」という積極的賃貸派が増えています。
いずれにせよ、長く住むと思って購入した家から賃貸に引っ越すといのは、志向以外の外部的要因が働く傾向があります。ということで、住宅・土地統計調査から「戸建派」「賃貸派」について考察する場合、「持ち家」から「持ち家」への移動を見た方が、ある程度意思を持った移動であると考えることができるのはないでしょうか。

戸建から戸建の住み替えは8割

早速、持ち家から持ち家に移動した世帯の具体的な住まいについて見ていきましょう。

まずは、「持ち家のマンション」から住み替えた世帯です。

マンションの次のステップとしては、戸建とマンションで半々という結果になりました。
一方、「持ち家の戸建」住居からに住み替えた世帯はどうでしょうか。

持ち家の内訳をみると、戸建が78%、マンションが22%と、引っ越しても戸建がいいと思う人が多いようです。

ちなみに、戸建の賃貸に住んでいた世帯が、持ち家を購入するパターンを見た時、戸建が88%とまたしても「戸建」から「戸建」が多数派になりました。
戸建はマンションと違って、様々な手間がかかると言われています。しかし、「一度戸建に住むと戸建ならではの魅力にハマる人が多い」というのは、データからも見ても言い過ぎではないかもしれません。

データ・コラム作成業務

PAGE TOP