高齢者世帯とその子どもの居住地から見る「実家の空き家問題」

BUSINESS TREND 高齢者世帯とその子どもの居住地から見る「実家の空き家問題」 2019.10.29

総務省は9月30日、「平成30年住宅・土地統計調査」のうち、「住宅及び世帯に関する基本集計(確定値)」の結果を公表しました。今回150超のデータが一気に公表され、全国・都道府県だけでなく、市区町村まで細かく集計されており、私たちは住宅や土地に関するより精密なデータを見ることが可能になります。【日本の住宅の今を知る!住宅・土地統計調査を大解剖】と題した特集で、この「住宅・土地統計調査」で気になるデータをピックアップし、深堀していきたいと思います。

今回は、高齢世帯(65歳以上)の住居について考えていきたいと思います。

高齢世帯の8割が持ち家に住んでいる

■高齢者世帯(夫婦・単身世帯)における持ち家・貸家の割合(全国)

老後資金という点を考えると、持ち家で老後を迎えるか否かは非常に重要な問題です。前回のコラムで、若年層の持ち家比率が低下しているとお伝えしましたが、上のグラフの通り高齢者世帯(※ここでは「夫婦・単身世帯」に絞る)の8割が持ち家という結果でした。昨今、「老後資金2000万円問題」が取り沙汰されていますが、老後のことを考えると今は賃貸に住んでいる人も老後の住居について、更にローンを完済することなども踏まえて、しっかりと考えていかなければならないようです。

子どもとの距離が離れている高齢者世帯

次に、子がいる65歳以上の世帯(夫婦世帯・単身世帯)のうち、持ち家の世帯における、子の居住地との距離のデータを抽出してみました。

■65歳以上の夫婦&単身世帯、かつ、持ち家である世帯の子の居住地割合(全国)

全国で見ると片道1時間以上の場所に住んでいる割合が32%となっています。進学や就職で実家を離れそのまま永住や家庭を持つパターンが最もイメージがつきやすいかもしれません。持ち家で子どもとの距離が離れているとなると、将来的にそこに住む高齢世帯が亡くなった時、ほとんどの場合、子どもがその家に引き継いで住むとは考えにくく、空き家になる可能性が高いと考えられます。

次に、都道府県別に見ていきたいと思います。

■子の居住地が1時間以上離れている世帯の割合(65歳以上夫婦・単独世帯 かつ 持ち家の世帯)

子の居住地が1時間以上離れている場所である割合が最も高いのが、岩手県で46.5%でした。都市に近づけば近づく程低いという点は、一定の傾向が見られそうですが、岐阜県や福井県、群馬県などは県民性を含めたエリアならではの事情もうかがえそうです。

最後に、最も低い沖縄県のデータを見ていきましょう。

■65歳以上の夫婦&単身世帯、かつ、持ち家である世帯の子の居住地割合(沖縄県)

これを見ると、片道15分未満に住んでいる割合が半数以上で、1時間未満となると8割と、驚きの結果となりました。

高齢化、核家族化が進む日本、今後は団塊の世代の方々が亡くなったり、老人ホームに入居したりして、実家が空き家になってしまうパターンが増えていくことが予想されています。「子の居住地が1時間以上離れている世帯の割合」が高いエリアは、注意が必要かもしれません。

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