家庭用太陽光発電が最も普及しているのは、「太陽光王国 佐賀県」

BUSINESS TREND 家庭用太陽光発電が最も普及しているのは、「太陽光王国 佐賀県」 2019.11.07

総務省は9月30日、「平成30年住宅・土地統計調査」のうち、「住宅及び世帯に関する基本集計(確定値)」の結果を公表しました。今回150超のデータが一気に公表され、全国・都道府県だけでなく、市区町村まで細かく集計されており、私たちは住宅や土地に関するより精密なデータを見ることが可能になります。【日本の住宅の今を知る!住宅・土地統計調査を大解剖】と題した特集で、この「住宅・土地統計調査」で気になるデータをピックアップし、深堀していきたいと思います。

今回は、「2019年問題」でタイムリーな太陽光発電について、住宅・土地統計調査からデータを集計し、考察していこうと思います。

家庭用太陽光発電の普及率は?

住宅・土地統計調査では、「省エネルギー設備等」として、以下のように定義されています。

■太陽熱を利用した温水機器等
水を屋根の上に引き上げて太陽の熱で温め、そのお湯を浴室や台所の給湯に利用するシステムのほか、太陽の日差しで暖められた屋根裏の空気をファンで床下に流して住宅全体を暖房するシステム

■太陽光を利用した発電機器
屋根の上に乗せた集光板によって太陽光を集め、これを電力に換えて用いる機器

■二重以上のサッシ又は複層ガラスの窓
・二重以上のサッシ
外窓と内窓が二重以上の構造となった窓(内側が障子の場合は含めない。)

・複層ガラスの窓
複数枚のガラスを組み合わせ、すき間に空気層を作ることによって断熱効果をもたせた窓
なお、これらのガラス窓の有無について、次のとおり区分する。

(1) すべての窓にあり
(2) 一部の窓にあり
(3) なし

総務省統計局用語集

太陽光発電は、「太陽光を利用した発電機器」に該当します。また今回は、家庭用ということなので、「持ち家」「戸建て」という括りの中で、太陽光発電の普及率について集計しております。

まず、全国平均で見ると家庭用太陽光発電の普及率は7.4%という結果になりました。

次に都道府県別で見ていきます。

これを見ると九州エリアの普及率が高いのが分かります。中でも最も高いのが佐賀県の13・8%です。実は、佐賀県では、2011年よりグリーン・エネルギー社会の実現を目標に掲げ、太陽光王国「佐賀」の実現に向けた政策をとっています。そのため、近年太陽光発電普及率は全国でも常にトップとなっています。
また、太陽光発電は言うまでもなく日照が重要となりますが、普及率の高いエリアをみると、西日本や太平洋側のエリアが多く、「晴れ」のイメージの強いエリアとなっているのが分かります。

日照時間と太陽光発電普及率との関連性は?

では実際に、都道府県別の日照時間(年間)と普及率の関係性について見ていきましょう。

日照時間:総務省統計局「第六十八回日本統計年鑑 平成31年」より

こちらのグラフは、都道府県別の日照時間と家庭用太陽光発電普及率の散布図です。何となく、右肩上がり、つまり、日照時間が長ければ普及率も高いような関係性が見えて来そうですが、実際相関係数は0.35と弱い関係性しか見られませんでした。家庭用太陽光発電の普及に関しては、日照時間といった環境要因以外にも、近年では太陽光発電設置に際して、補助金を出す自治体などもあり設置への動機にもつながるケースもあるのかもしれません。

太陽光発電「2019年問題」と今後の太陽光発電普及

「2019年問題」とは…2009年にスタートした売電制度「余剰電力買取制度」(※現在は、固定価格買取制度に移行。)には、10年間の売電期間があり、10年目となる今年2019年以降「売電期間の満了」を迎える設置者が多くでてくることを言います。今後の選択肢としては、 現在の電力会社で売電を続ける、 新電力に売電する、 売電せずに電気を自家消費するなどがあります。

「売電期間の満了」となるのは、2009年の時点で太陽光発電を設置している設置者で、2019年以降新規でも太陽光システムを導入する家庭は、今後も「固定価格買取制度」を利用できます。

しかし、制度が始まった時の売電価格は42円/kwhでしたが、2019年度の住宅用太陽光発電の売電価格は、24円/kWhと半分近くにまで下がっています。

このことは、太陽光発電普及に影響があるのでしょうか?

実は、売電価格が下がっている代わりに、太陽光発電設置のコストも大幅に下がってきています。果たして、5年後の「住宅・土地統計調査」ではどのような結果になるのでしょう。

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