宅建士資格と地価の意外な関係性

BUSINESS TREND 宅建士資格と地価の意外な関係性 2019.08.28

先日、7月末に受け付けを締め切った「令和元年度宅地建物取引士資格試験」の受験申込の受付状況が、(一財)不動産適正取引推進機構より発表されました。申込受付数は、前年度比4.0%増の27万6,019人だったようです。今回は、そんな宅建について少し違う視点で考えてみたいと思います。

そもそも宅地建物取引士とは?

宅建士の仕事としては契約時の重要事項の説明、重要事項説明書への記名押印、契約内容記載書への記名押印などがありますが、特に重要事項の説明は、宅建士が宅建士証を提示したうえで行なわなければなりません。

また、宅建士を語る上で重要なのは「5人に1人」の設置義務です。
宅地建物取引業を営む際、1事務所において「業務に従事する者」5人につき1人以上の割合で、専任の宅地建物取引士を設置することが義務付けられています。ちなみに、業務従事者とは、営業や事務などの各部門、役員、代表にいたるまで、その事務所に常勤している人すべてを言います。

この制限があるため、宅建士の資格を持っていると「有利」と言われています。

宅建士資格があると実際何に有利?

就職や出世に有利?

宅建士は不動産実務をする者にとって、“所有して当たり前”と言われるような資格と言えます。宅建士の試験の合格率は約15~17%と狭き門と言えますが、それでも宅建資格保有者は実は100万人を超えています。「宅建士証を所有している人」で見ても51万人もいるので、“宅建士資格があるからすごく有利である”というわけではないことが分かると思います。

一般財団法人 不動産適正取引推進機構より転載

収入アップに有利?

不動産会社の中では「資格手当」として、資格保有者には毎月の給与に上乗せされる会社もあります。具体的な金額は企業によって異なりますが、相場として1万円~3万円と言ったところでしょうか。その点で言うと、年間でも12万円~36万円ですから、確かに収入アップにつながると言えそうです。

顧客対応で有利?

高額な不動産の取引を宅建士のない人に任せてもいいのでしょうか?
これに関しては、それぞれの価値観で異なるかもしません。
ここからは、私の個人的な意見です。
私は数年前、不動産を購入したのですが、仲介会社の営業担当者は宅建士の資格がありませんでした。名刺を頂いたスタート時点で、正直、その方に対して不安な気持ちを抱いたのは今でも覚えています…。ただ、その方の場合、知識も豊富で対応も丁寧、手続きやアフターフォローまでかなり親身になってくれたので、後になって宅建資格がないことは挽回出来ていたのかと思います。とはいえ、初めの印象はマイナスからスタートするのは間違いないでしょう。

宅建受験者数と地価には強い相関関係

ここまで、不動産業界で働く方々にとって重要な宅建士について見てきましたが、最後に宅建士に関して興味深いデータがありましたので、ご紹介させて頂きます。
冒頭にお伝えした通り、令和初の宅建資格試験の申込者数は前年より4%も増加しました。例年、申込者数のうち実際に受験する人は8割程度と言われています。今年の受験者数も恐らく増えると予想されます。
ちなみに昨年の平成30年宅建試験の受験者数は、ここ20年では最高の数でした。
そこで、過去30年の受験者数の推移を地価公示全国平均価格と比べてみました。

下のグラフは、平成元年からの宅建受験者数と地価公示(全国)の推移を比較したグラフです。同じような動きをしているように見えますが、相関係数を算出すると、やはり0.80と高い相関関係が見られました。

((一財)不動産適正取引推進機構資料、国土交通省「地価公示」より作成)

地価上昇し、不動産業界が活性化すると、そこに従事しようとする人や従事する人のキャリアアップ思考はある程度相関し、宅建資格試験受験者数が増える(反対も正)という見方が出来ると思います。

令和初の宅建試験に申し込みされた方も多いかと思います。
皆様のご健闘をお祈り申し上げます!

データ・コラム作成業務

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