不動産が持つ2つの顔とは…?

WEB UNIVERSITY 不動産が持つ2つの顔とは…? 2019.08.22

第1回では、不動産は価格上昇時でも下落時でも購入されることがあると分かりました。
それはどのような違いから生じる現象なのでしょうか?

清水教授のオンデマンド不動産大学 第2回 ~不動産が持つ2つの顔とは…?~

今回のキーワード
・消費財
・投資財

先生「こんにちは! Dr.清水のオンデマンド不動産大学第2回へようこそ!
今回は不動産の2つのマーケットについて説明していこうかな」

使用するマーケット Space Market

まず、人はどのような時に家を買いたいと思うでしょうか。1つは、前回説明したように不動産価格が下落するとしても、結婚して家族が出来てマイホームに住みたいと考えるような時です。その『住みたい』というのは、つまり家を『使用したい』ということですよね。他にも、オフィスは仕事をするため、工場はものを作るため、倉庫はものを置くため。このように、不動産には使用するための目的が存在しています。このような動機に基づいて取引される不動産市場は『使用するマーケット』通称Space Marketと呼ばれています。

フドウ「なるほど。たしかに普通は使いたいって思うから、不動産を買ったり借りたりしますよね」

先生「そう。そして、ここでは借りている人・買う人が貸している人・売る人にお金を支払うことによって、お金が動いてマーケットが成立するんだよね。このマーケットにおける不動産は消費財と呼ばれているんだ」

フドウ「自分自身が使用して消費するための不動産が流通しているってことですね」

投資するマーケット Asset Market

もう一つのマーケットは『投資するマーケット』通称Asset Marketです。これは自分自身が使用するという目的よりも、家賃収入や売買益を得たり、資産の保管のために購入されたりする不動産のことを指しています。主に不動産の売買によってお金が動いてマーケットが成立し、このマーケットでの不動産は投資財と呼ばれています。

フドウ「不動産は消費財と投資財、2つの顔をもっているってことですね!」

先生「その通り」

住宅いつ買う問題

前回の最後に、フドウくんは必要だから不動産を買うって言っていました。その『必要だから』というのが消費財の本質です。仮に市場が下落してしまうとしても、生活のクオリティを上げるために住宅はどうしても必要になります。市場が下がっても不動産を買うときは『住んで嬉しい』という効用を得ているということになります。よって、不動産価格が下落している際に購入される不動産は、投資財としては損をしていても、消費財としては得をしているということになります。

不動産価格が
・上がるときに買うのが投資財
・下がるときに買うのが消費財

フドウ「なるほど、そういう風に投資財と消費財を切り分けて捉えないといけないんですね!とても勉強になりました!」

先生「次の講義では、使用するマーケットにおける需要と供給についてお話していくね。それでは、今日の講義はここまで!」

(続きます)

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