そもそも『がん』って何?腫瘍との違いって?

BUSINESS TREND そもそも『がん』って何?腫瘍との違いって? 2019.08.22

がん診療の最前線で医師として活躍されているスーパードクター明星智洋先生にお越しいただき、弊社代表の吉崎誠二と対談を行いました。明星先生は著書「先生!本当に正しい『がん』の知識を教えてください!」を6月20日に出版されました。
スーパードクター明星による『働く大人の健康法』と題した本特集、初回は「『がん』とはそもそも何なのか?」「なぜ最近がんが治りやすくなっているのか?」について明星先生に詳しくお話頂きます。

スーパードクター明星による『働く大人の健康法』第1回~そもそも『がん』って何?腫瘍との違いって?~
今回のキーワード
・アポトーシス
・がんが治りやすくなった理由
向かって左が吉崎誠二、右が明星智洋先生
明星先生は6月20日に「先生!本当に正しい『がん』の知識を教えてください!」を出版されました。

そもそも『がん』って何?

吉崎「そもそも『がん』って何を以て『がん』とするんですか?ほくろもがんって言われることがありますよね」

先生「ほくろはがんじゃなくて正確には腫瘍だね。腫瘍には良性と悪性があって、悪性腫瘍のことをがんって言うんだけど、ほくろやイボ、ポリープは良性腫瘍にあたるんだね。この良性腫瘍が悪性になったらがんになるんだ。悪性の特徴は、何もしなくても無秩序に増えていくことだね。」

吉崎「でもイボとかってイジってると大きくなったり広がったりしますよね。あれは悪性ってことですか?」

先生「必ず悪性ってわけじゃないけど、ただのほくろやイボだって長年刺激が与えられ続ければ悪性になる可能性もある」

吉崎「刺激を与えられた結果がんになるってことですか?」

先生「刺激以外にもがんの原因はあるね。時とともに、体内の細胞が一定の割合でがん化しているんだ。がん細胞は生まれては死ぬを繰り返していて、それがアポトーシスと呼ばれている。これは、がん化してもがん細胞が自動的に死んでいくっていうプログラムされた細胞死のこと。このプログラムが破綻すればがん細胞が増えてしまうよね。これに加えてがん細胞が生まれることそのものを抑制するがん抑制遺伝子もあるんだけど、これさえも破綻したらがん細胞の増殖を止められなくなるんだ。だから、突発的な理由でがんになるってことはあまりなくて、長く生きれば生きるほどがんになりやすくなる。がんは老化現象のうちの一つみたいなものということだね」

吉崎「昔はがんになったら確実に死んでしまうっていうイメージあったけど、最近はがんになっても死なないって感じになってきてますよね」

先生「たしかにそう。昔だと死に直結するイメージからがんになっても告知をしないっていう選択肢があった。だけど今ではがんは治すことができるものになったから、告知をしない方が少なくなったよね」

吉崎「がんが治りやすくなった理由って何ですか?」

先生「一つは、早期発見ができるようになったから。胃カメラとか便検査で癌かどうかがわかるようになったし、肺だってCTを撮るだけで1ミリの癌ですら発見できるようになった。癌ドックも活用されるようになったから、早期発見されやすくなって手術で根治できるようになった。もう一つは抗がん剤治療が進んだこと。ある程度ステージが進んでいたり末期だったりしても、抗がん剤治療によってたいてい治るんだよね。たとえば、乳癌は早期発見なら9割以上助かる。末期の場合は何もしなければ1年で死ぬけど、抗がん剤治療をきちんとすれば肺や肝臓などに転移していたとしても10年生きられる場合もあるんだ。ただやっぱり早期発見することが重要だね」

(続きます)

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